Q. スポーツが好きなのですが、してもいい運動や、しないほうがいい運動などがあれば教えてください。
A. ストレッチやヨガ、ウオーキング、水泳などのスポーツを、無理のない程度に楽しんでください。
なお、運動する時は、こまめに休憩したり、クーリングしたりするなど、体温や気温の上昇に注意してください。
無理のない程度の運動は、体力や筋力の維持、気分転換などに有効と考えています。したがって、症状のない寛解期に、ストレッチやヨガ、ウオーキング、水泳などのスポーツを楽しんでいただけたらと思います。
「ウートフ徴候」に注意しながら、好きなスポーツを楽しむ
してはいけないスポーツは特にないと考えていますが、体温や気温が上がることで一時的に症状が悪化する「ウートフ徴候」が現れる可能性がありますので、注意が必要です。「こまめに休憩する」「水分を摂る」「アイスバッグや冷却スプレーなどを使ってうまくクーリングする」など、体が温まり過ぎないように意識してください。
なお、これまで続けられていた、慣れているスポーツであれば、適度な運動量をご自身で判断できるかと思いますが、新しいスポーツを始める際はご注意ください。慣れるまでは決して無理をせず、少しずつ負荷を上げていくことをお勧めします。「どのようなスポーツを、どのくらい行って、翌日の疲れはどの程度であったか…」などをメモして、診察時に主治医と話し合っておくとよいでしょう。無理のない程度に、好きなスポーツを楽しんでいただけたらと思います。

【回答】九州大学大学院 医学研究院 神経内科学 教授 磯部 紀子 先生